はじめに
こんにちは、水先ナビィです。
Vtuber活動において「音質」は命といっても過言ではありません。視聴者は映像の粗さよりも、音声の不快さに敏感です。配信中に「サーッ」というノイズが鳴り続けたり、声がこもって聞き取りづらかったりすると、せっかくのトークや歌も魅力が半減してしまいます。逆に、映像が多少荒くても音がクリアであれば「聞きやすい」「落ち着いて見られる」と感じてもらえます。
多くの新人Vtuberが「音質問題」でつまずきます。マイク選びを間違えたり、距離や設定を誤ったり、そもそも配信ソフトの調整をしなかったり…。でも安心してください。必要なのは高額な機材ではなく、基本の理解と正しい習慣です。この記事では、初心者が最低限押さえるべきマイク選びから設置、音質改善のステップ、そしてよくある失敗とその解決法までを整理していきます。
1. マイクの種類と特徴
コンデンサーマイク
配信者の定番。繊細な音まで拾うため声がクリアに届きやすい
「息づかい」「声のニュアンス」も伝わるので、雑談や歌枠、ASMRに向いている
反面、環境音も拾いやすいので部屋の静けさが重要
代表機種:Blue Yeti、Audio-Technica AT2020USB+
ダイナミックマイク
周囲の雑音を拾いにくく、耐久性がある
声をしっかり出す歌枠や、騒がしい環境での配信に強い
音がややこもりやすく、明瞭さはコンデンサーマイクに劣る
代表機種:SHURE SM58、Audio-Technica AE6100
USBマイクとXLRマイク
USBマイク:PCに直接接続できる。初心者におすすめ。価格は1万円台から。
XLRマイク:オーディオインターフェース経由で接続。音質調整の幅が広く、将来的に本格化したい人向け。
関連記事:「機材スターターキット:最低限これだけあれば始められる」
2. マイク設置の基本
適切な距離
マイクと口の距離は15〜20cmが目安
近すぎると破裂音(ポップノイズ)や息が入りやすい
遠すぎると声が小さくこもる
ポップガードとマイクアーム
ポップガードは「パ行」「バ行」の息による破裂音を防ぐ
マイクアームを使えば机の振動やタイピング音を減らせる
部屋の環境
エアコンやPCファンの音も拾われやすい
厚手のカーテンやラグを使うと反響が減り、音が落ち着く
ナビィの小話:
ある配信者さんは、部屋の反響で声が金属的に聞こえていました。厚手のカーテンを導入しただけで「声が近くなった!」とファンに言われ、音質が格段に改善したのです。
3. 音質を整える設定
入力音量
OBSやDiscordで、声のピークが-10〜-6dBに収まるよう調整
小さすぎると聞きづらい、大きすぎると割れてしまう
ノイズ抑制フィルタ
OBSには便利なフィルタ機能があります。
ノイズ抑制:常時入る雑音をカット
コンプレッサー:小さい声を持ち上げ、大きすぎる声を抑える
リミッター:音割れを防ぐ
難しければ、とりあえず「ノイズ抑制+コンプレッサー」だけ入れるだけで大きく改善します。
モニタリング
自分の声を録音し、イヤホンで聞き返す
第三者視点で「長時間聞いて疲れないか」を確認する
関連記事:「配信ソフト(OBS等)の初期設定とテスト配信の方法」
4. 初心者がやりがちな失敗と解決法
失敗1:ヘッドセットマイクをそのまま使用
ゲーム用のヘッドセットは通話には十分でも、配信には音質が不足しがち
解決法:1万円台のUSBコンデンサーマイクに変えるだけで雲泥の差
失敗2:マイクを近づけすぎる
息や破裂音が入り、耳障りに
解決法:15〜20cmを保ち、ポップガードを使う
失敗3:声よりBGMが大きい
視聴者がすぐに離脱する原因
解決法:声を基準に調整し、BGMは常に-20dB程度に抑える
関連記事:「BGMと音量バランスの基礎(視聴しやすさを決める要素)」
失敗4:環境ノイズを放置
サーッという音やキーボード音で台無しに
解決法:OBSのノイズ抑制+静音対策(マウスパッドや防音カーテン)
失敗5:音質を気にしすぎて始められない
「もっと良いマイクを買わなきゃ」と悩んで半年経つケースも
解決法:今の機材でテスト配信→小さな改善を積み上げる
ナビィの小話:
ある新人さんは「視聴者が少ないのは自分のトークがつまらないせい」と思っていました。でも実際は音量バランスのせいで声が聞き取れなかったのです。音量を調整しただけで「声がはっきり聞こえる!」とコメントが増え、登録者が伸び始めました。
5. 音質改善の追加ポイント
防音と吸音
完璧な防音室は不要
厚手の布や吸音パネルを壁に貼るだけで大幅改善
部屋の角に布を吊るす「簡易吸音」も効果的
オーディオインターフェース
将来的にXLRマイクを使いたいなら必須
音量調整やエフェクト追加が可能
EQ(イコライザー)とコンプレッサー
EQで声の低音を抑え、中音域を強調すると明瞭になる
コンプレッサーで声の大小を均一化すると聞きやすい
録音環境の工夫
キーボードは静音タイプを選ぶ
マウスクリック音も意外と拾われるので、布マットを敷くだけで改善
6. 音質は「安心感」を作る
視聴者は「この配信は安心して聞ける」と思えたときにリピートしてくれます。声が聞きやすいというだけで、内容の評価も一段階上がります。逆に、音が悪いと「ちゃんと準備していないのでは?」と無意識に判断され、信頼を得にくくなるのです。
関連記事:「初配信から次につなげるための『振り返りノート』」
自分に問いかけてみよう
自分の配信を録音で10分聞いても疲れないか?
マイクの距離と位置は適切か?
ノイズやBGMに声が埋もれていないか?
これに答えられれば、音質は確実に改善されます。
終わりに
マイクと音質は、配信活動を支える土台です。高価な機材を揃えるよりも、正しい選び方と基本のセッティングを徹底する方が大切です。
「聞きやすい声で届ける」ことは、リスナーへの最大の配慮であり、ファンを増やす第一歩でもあります。あなたの声をクリアに響かせるために、今日から一つずつ改善してみましょう。
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